アラキネマ「炎夏」は、見る者を心臓まで揺さぶる魅力的な作品だ。その一瞬一瞬のリズムが連なり、「炎夏」を構成している。横断歩道、看板、ヌード、高層ビル、交差点、ゴールデン街、空、歩道、花と車、歌舞伎町など、新宿の風景が刻まれ、アラーキーの夏を感じさせる。この作品は160カット全てをトリミングして作られている。見終わると、なんとも言い難い不安定な気持ちになり、フレームの外側の見えない映像が生々しく残る。それが「炎夏」を通して夏を浴びる感覚を与えてくれる。アラーキーは以前「東京トリミング」というものをやっており、「炎夏」とのつながりが気になる。ヌードから女の顔へ、逆光の中の少年とのオーバーラップなど、濃密な夏のシーンが続く。「炎夏」は、形からかたちへ、かたちから生への鼓動へと遡る試みなのではないか。