少年のゆれる心情と、幻想的な世界が、鮮やかにシンクロしてゆく。 母と病院へ向かうバスに乗る10歳の少年「光」。退屈しのぎに風船で遊ぶ光は、車内で不思議な 体験をする。そんな光が病院に到着して見たものは?「この世」と「あの世」の狭間に生じる 関係性の歪みを、物語の魅力に変換していく巧みな演出が秀逸。 監督|伊月肇 1980年生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。大学在学中に山下敦弘監督作品『ばかのハコ船』にスタッフとして参加。 映像制作会社退社後、自主映画制作を行う。 2010年、初長編作品『-×-』(マイナス・カケル・マイナス)がローマ国際映画祭に正式招待される。