作品解説 木造モルタルアパートで暮らす老夫婦が、老々介護生活に突入。介護と貧困に疲弊する妻キミコの、大阪のおばちゃんならではの派手好みな服と生活臭のミスマッチが不思議な魅力を押しだし、逆境のど根性を光らせる。 あらすじ 人工肛門を余儀なくされた夫と、その介護に追われる妻キミコ。借金の積もる生活の中、体に抱えた障害から夫は妻に甘えて次第に不精になってゆく。文句をいいながらも、明るく献身的に夫を支えるキミコだったが、介護生活、借金の取り立て、そして世間の白い目に精神は疲弊し、ある夜咄嗟に夫の首に手を掛けてしまう。普段は妻の手を借りないと歩くこともできない夫だが、この時ばかりは力任せに妻を押しのける。感情を抑え込むように家を飛び出したキミコは、立ち寄った公園で家出少女に出会う。キミコは、自分と同じく家を飛び出した少女にも、わがままな娘を抱える少女の母親にも自分を重ね、まるで自分自身にいい聞かせるように諭すのだった。